left-footFantastic Phantom Slipperright-foot
白井暁彦1)、佐藤 勝2)、久米祐一郎1)、草原真知子2)
1) 東京工芸大学 工学部 光工学科
2) 東京工芸大学 芸術学部 映像学科

作品コンセプト

歩くこと、そして旅に出る感覚を自らの身体を動かすことによって感じて欲しい。
ファンタスティック・ファントムスリッパは、あなたを様々な世界に連れていってくれる。
その旅から帰ったとき、あなたは新しい創造力を発見するだろう。


ムービー(佐藤 勝制作、WMV形式、2MB)


ストーリー解説(著者:白井暁彦)

 作中の「鼠」とは、ヒューマンインターフェイスの象徴である「マウス」を指している。そして「彼」とはあなた自身「ユーザー」である。ユーザちょっとした昔からのヴァーチャルリアリティ・フリークであり、HMDもデータグローブも経験している。「彼」はいつも「知識との界面(インターフェイス)」で「鼠」と接している。彼が触れている「知識」とは、すなわち情報である。それは具体的にはインターネットブラウザであったり、ヴィデオゲームであったり、3Dモデラーであったりするのだろう。

 「彼」が情報に対する要求を止めない限り、彼がマウスをクリックする理由は消えない。そして、その要求が時代を追うにつれ、さらに高度になってゆくのである。そんな秒進分歩の毎日の中で、彼はおかしな夢を見る癖があるようである。

 最初の夢は、視覚情報に対する転換であった。『どんなリアルな映像でも、眼を閉じれば感じることが出来ない』と感じた朝、鼠は「亡霊という名の針鼠」に姿を変えているが、これは我々が開発した「ファントムセンセーション・デバイス」の初期バージョンを指している。当時、リアルタイムモーションキャプチャと振動デバイスにより、見えない物体へのアクセスは可能となったが、振動刺激はピンによって与えていた。

 その後、再び彼の見た夢は「マウスのないヴァーチャルショッピングモール」であった。路面が二等辺三角形の3D表示はあまりにもの悲しく、クリックが出来なければリンクをジャンプすることも出来ない。足の裏に疲れを現実として感じ、目覚めた朝に現れた「奇妙なスリッパ」が今回のデモに使用している『ファントムスリッパ』である。
 振動刺激を与えるピンは、携帯電話用のバイブレータに変更し、強度と安定感を得ることが出来た。そして何より「鼠」が「スリッパ」に姿を変えたことにより「彼」は自らの体を動かしてヴァーチャルリアリティと対話することが可能となった。

fig このインターフェイスがもたらした利点は数多い。人間が移動に足を用いているため、インターフェイスとして自然であること、靴などであれば装着時も違和感が少ないこと、3Dグラフィクスの視線ベクトルをマウスなどの他の入力デバイスに頼らなくて済むこと、床面に映像を投影することにより映像との直接対話が可能となったこと(大画面ディスプレイを触るよりもはるかに安価に!)、そしてなにより楽しいのは「ユーザが知らず知らずのうちに踊り出すこと」である。是非、運動不足の友人知人の踊る姿を鑑賞していただきたい。


システム構成


要素技術


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