混相流による自由空間ディスプレイ

サンドイッチ型三重スリットの構造
図1 サンドイッチ型スリットノズルの構造とポテンシャル・コア
スリットから噴出する自由噴流
図2 中央のスリットノズルからミスト流を噴出した場合
空気流に挟まれてスリットから噴出するミスト流
図3 中央のスリットノズルからミスト流、上下のスリットノズルからは同速度の空気流を噴出した場合
ミスト流への映像投影
図4 ミスト流へ投影した映像の例
 噴水の噴き上がった水や霧に光を投影すると、水滴によって光は反射・散乱されます。そのため映像を投影することもできます。しかし勢いよくノズルからミストが静止している空気中に放出されると噴流となって広がってしまい、この広がったミストへ映像を投影しても良好な画像を得ることはできません。ノズルから高速の流体を噴出する自由噴流の場合、一定の長さの均一な流れの領域、ポテンシャルコアが存在します。

 この研究ではミストを噴出するスリット状のノズルを、別のスリットノズルで挟んだ構造のサンドイッチ型スリットを考えました。図1に示すように中央のスリットからミスト流を、しの両側のスリットから空気流を噴出させ、ミスト流をポテンシャルコアの内部に閉じ込めて、ミスト流の拡散を防いでいます。図2はこのサンドイッチ型三重スリットの中央のノズルからミスト流を噴出させた場合、図3はそれに加えて両側のスリットから空気流を噴出させた場合です。ミストの層が拡がらない様子がわかります。

 図4はそのミスト流に映像を投影した様子です。ミスト流は図4の上から下へ流れており、画面上の光っている横線はスリットノズルです。

 投影面を奥行き方向に移動するようノズルを走査して、奥行き方向の位置に対応する画像を投影すると、奥行き標本化方式による3次元画像の立体表示も可能となります。図5は四角錘台を投影した例です。ただしサンドイッチ型のスリットアッセンブリを機械的に往復移動させて奥行き走査させるため、走査速度には限界があります。

ミスト流への四角錘台の立体映像
図5 四角錘台の投影、3次元表示

参考文献

  1. 久米祐一郎、鈴木和哉: 混相流を用いた自由空間ディスプレイの検討、日本バーチャルリアリティ学会第5回大会論文集、 pp.297-298、 2000.
  2. 久米祐一郎、鈴木和哉: 混相流を用いた自由空間投影法の検討、映像情報メディア学会誌、56巻、5号、pp.867-871、2002.
  3. 堀内陽一、久米祐一郎、曽根順治: 気液2相流による3次元自由空間ディスプレイの基礎的検討、映像情報メディア学会技術報告、27巻、23号、pp.29-32、2003. (平成15年度 映像情報メディア学会 研究奨励賞受賞発表)
  4. 久米祐一郎: 混相流を用いた自由空間ディスプレイ、日本混相流学会誌、18巻、4号、pp.306-313、2004.
  5. 久米祐一郎: ミスト流スクリーンを用いた自由空間映像投影法、日本混相流学会年会講演会2005講演論文集、pp.195-196, 2005.

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