視覚・力覚同時提示可能な手持型ディスプレイ

 力覚情報を提示可能なインタフェースは、物体情報を直接理解できシステムの操作性や情報提示能を向上させることができます。したがって携帯型ゲーム機等の視覚提示装置に力覚を付加することで、より直観的な情報提示が可能になります。
 私たちは視覚と力覚情報を同時提示することが可能な手持型ディスプレイを開発しています。図1のように、LCDの背面に取り付けたサーボモータとリンク機構によって、錘の位置を1軸方向に移動させ、装置重心の移動により左右の手に加わる力を変化させています。このサーボモータをPCから制御し、視覚情報と同期する事で視覚・力覚の同時提示を可能とします。

図1 装置の原理 図2 動作の様子

 2のサンプル動画はユーザーが本ディスプレイを持ったときの様子です。LCD上に表示された左右運動している球体が重量感のある物体として知覚されています。特に球体がLCDの端に跳ね返るときに顕著に知覚されます。
 また図3のように、同一の視覚情報に対して錘の移動量を変化させることで、発砲スチロールのような『軽い物体』や鉄球のような『重い物体』といった重量感覚を表現することもできます。

図3 錘の移動量変化による手に加わる力の変化と重量感覚

参考文献

  1. 栗林英範、中村翔子、久米祐一郎: 視覚・力覚を同時提示する手持型デバイスの検討、日本バーチャルリアリティ学会第11回大会論文集(CD-ROM)pp.332-333、2006.
  2. 栗林英範、中村翔子、久米祐一郎: 触覚・力覚を同時提示する手持型デバイスの知覚特性、映像情報メディア学会技術報告、31巻、19号、pp.49-52、2007.(映像情報メディア学会 優秀研究発表賞受賞
  3. Hidenori Kuribayashi, Shoko Nakamura, Yuichiro Kume: A hand-held display presenting visual and force information, Second Joint Eurohaptics Conference and Symposium on Haptic Interfaces for Virtual Environment and Teleoperator Systems(world HAPTICS 2007), 2007. (Proceedings pp.576-577)
  4. 栗林英範、中村翔子、久米祐一郎:視覚・力覚同時提示によって知覚される重量感覚、日本バーチャルリアリティ学会第12回大会論文集(CD-ROM)2B2-4、2007.
  5. 栗林英範、中村翔子、久米祐一郎: 視覚・力覚を同時提示する手持型デバイスによる知覚特性、映像情報メディア学会誌、62巻、1号、pp117-121、2008.

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